お待ちかね、の巨大トマト瓶。今年もご予約開始。

水煮でもフレッシュでもない反則技トマト。イザベラおばさんのペラーティが今年もやってきます。
年一度だけの入荷。この巨大トマト瓶の到着を楽しみに待ってくださる方が年を追うごとに増えています。はじめて食べる人はみな「こんなトマト初めて!」と感動します。その潔いまでのシンプルさは、正直「ズルイ」としか思えない。イタリア、ズルい。イザベッラ、これ反則。
「へっへっへ~~~」と腕を腰にあてて仁王立ち、ド派手なメガネのフレームをちょいと持ち上げ「Hai visto? それ見たことか!」とほくそ笑むイザベラおばさんの姿が目に浮かびます。

ピエモンテでワイナリーとアグリツーリズモ(農家のお宿)を営む四児(全員男の子!!)の母である彼女は、その人気の宿だけでは消費しきれない無農薬のお野菜や果物を使ってジャムやピクルスなどの保存食を作り販売しています。4人の息子がそれぞれの持ち場でワイナリーを切り盛りしてくれるようになっても「あたしはもう定年よ。世界中を旅行して気ままに暮らすの」といいながらもお宿の料理も加工品にも常にうるさく口をはさみ続け、いっこうに引退する気配を見せないようです。
わたくしママろばもその昔、ワイナリー巡りでピエモンテを旅する時には必ず彼女の宿を予約するようにしていました。彼女の個性そのものといった感じの気取らないワインと軽快なトーク(ママろばも口をはさむ余地がないほどの超お喋り&早口!)を夜更けまで楽しみ、遅めにいただく朝食のテーブルには自家製のジャムがずら~り。窓の外は一面のブドウ畑。ドイツやスイスからの観光客が毎回翌年の宿泊まで予約してゆく、というのも頷けます。

ホールトマト…一般的にはトマトの水煮と訳されていますが、このトマトの場合には正確には水煮ではありません。初めてコレを食べた時には、あまりの衝撃に「なにアレ?」と彼女にメッセージしてしまいました。
「ハッハ~~ン。秘密よ!」と答えたのは冗談だったらしく「トマトを半分に切ってパッパッと塩を振ってまたトマトを重ねるの。その繰り返し。あとは蓋をして、煮沸するだけ」「…それだけ?」「それだけ。」
「あ、あと…。」
「…やっぱり!あと、何?」
「たまにバジルの葉っぱも放り込むわ」
「うう…。本当にそれだけ?」
「…ははん、どう?不味くはないでしょ?」
…とまあ、こんな感じなんです。反則、と思いませんか?それだけでこんなに美味しいなんて。
日本のブランドトマトのように糖度が高いという美味しさではありません。トマトは加熱用の品種であくまで普通の味です。トマトらしい酸味とほどよい甘み。では何がすごいかというとその食感とフレッシュな香り。皮まで美味しい。明らかに生、ではない。でも全く煮詰めた感じがしないんです。作り方を聞けば、”蒸した”が一番近いということになりますよね。
ひと瓶は1.8㎏とずっしり。かなり大きな瓶で片手では簡単に持てないほどです。この量であることにも意味があるレシピなのでしょう。トマト自身の重みで旨味が滲み出てきたような味わいなのです。同じやり方でも少量だとこうはならないはずです。
何も加えず煮沸殺菌しているだけなので、中の液体はトマトから染み出た水分です。その液体部分がまた美味しい。だから、料理にはこの水分も使います。…といっても調理と呼ぶほどの技術は不要。まずはそのまま食べてみてください。トマトがメインのご馳走となりうる、そんな味なのです。

ほら、このずっしり感、見てください。これだけでも美味しそうじゃありません?太陽をたっぷり浴びてまるまると太った、一番ハリのある時に収穫したサン・マルツァーノ。種が少なく身が分厚い品種で肉質が緻密です。断面図はこんな感じ。

むっちりした食感が伝わるかしら?一枚で、相当食べごたえがあります(トマトの厚みや火の通り加減には個体差があります)。うっすら塩味がついているので冷やせばそのままで十分前菜になります。お好みでオリーブオイルを回しかけて。胡椒さえ邪魔になるかもしれない。

せっかくだからトマトそのものの味をダイレクトに堪能してください。モッツァレラなどあればいつもとは違うカプレーゼが出来ますし、しっかり焦げ目をつけて焼いたパンを半切りのニンニクでガリガリッと香りづけしたところにのせれてオリーブオイルを回しかければ上等のブルスケッタになります。サンドイッチにしても美味しい。適度に水分が抜けているので加熱しても味がボケません。ピッツァやオープンオムレツに使う時も水が出なくて具合がいいのです。

すでに定番化したメニューの焼きペラ。水気をペーパーで拭いてオリーブオイルを敷いたフライパンで軽く両面をじゅうじゅう焼くだけのトマトステーキです。この食べ方には相当ハマりました。ウチのチビろばたちも大好物。メインを張れます。
これをグリルしたナスと重ねてチーズを振り、オーブンで焼くとイタリアの伝統料理Melanzane alla parmigianaメランザーネ アッラ パルミジャーナ(パルマ風ナスのグラタン)が簡単に出来ますよ。
本当のパルミジャーナはナスを揚げて作るので手もかかるしカロリーも相当ですが、グリルで作ると軽くてもたれないのよ、とはナチュールワインのパイオニア、アンジョリーノ・マウレの奥さんマリアローザに教わりました。とにかくたっぷりぎっしり入っているので、そのまま食べたり、パスタにしたり、ひと瓶あれば相当楽しめます。

上の写真はアリアンナ・オッキピンティの古代小麦のペンネで超シンプルにペンネ・アル・ポモドーロ(トマトのペンネのレシピはコチラ)にしたものですが、ソースを作る必要はありません。大きなトマトのかたまりとパスタをフォークで一緒に差して頬張れば、あらら、フレッシュでも、ピューレでもない軽~い食感が新鮮!思わずパクパク、ペロリです!
よく「こんな巨大な瓶、食べきれない」と言われるのですが、焼きペラをすればひとり5枚でも6枚でも食べてしまうしパスタを2回でもすればあっという間に半量近く使います。
夏トマトの旬もピークを過ぎフレッシュトマトで作るパスタともそろそろお別れ…という時期には殊更ありがたいですよね。保存食の意義はまさにこれですからね。美味しくて大量に獲れて、しかも最も安くなる旬の時期に沢山作り置きして、新鮮なものが手に入らない時期に食す。秋から冬にかけては、お豆や雑穀と煮込んでスープにしても美味しいですよ。
「noteろばのウチ」にはさらに詳しいレシピを載せています。お時間がありましたらそちらも読んでみてください。
今年は船便の都合で例年より入荷が遅れております。店頭へは9月12日ころから並ぶ予定です(販売開始日は前後する場合があります)。保存上の注意など、商品ページで詳細をご確認くださいね。
今なら前売りペラの早割りキャンペーンをやっています。
当店への入荷前に店頭もしくはオンラインか店頭でご予約いただきますと割引価格で購入できますのでこの機会をお見逃しなく。
◇【8月31日まで早割り特別価格】ラッセッラ ペラーティのご予約はコチラから。
店頭受け取りをご希望の方もオンラインからご予約をいただけるとスムーズです。
…どうしてそんなに急いで販売するのかって?
巨大トマトの瓶がどれほど場所をとるものなのか、5~6個頼んだことのある方ならラッセッラのオリジナル6個入り箱を見たことがあると思います。当店、おそらく日本で一番このペラーティを販売していると思うのですが、その箱をなん十箱も積み上げて居間の冷房を妨げている様子を想像してもらえれば理解いただけるかと思います。輸入元にもいつまでも預かっていただくわけにはいかず、毎年そんな光景が当たり前になっているのです…。皆様に少しずつご協力いただけますと、みなさまのお家ではとびっきり美味しくフレッシュなトマトが年中楽しめ、わが家もスッキリ片付く!
というわけで、皆様の熱いご予約をお待ちしております。